こんにちは。Car Wash LABO 運営者の「tomo」です。
ガソリンスタンドで手軽に愛車を綺麗にできる自動洗車機ですが、「洗車機に入れたらリアワイパーが変な方向を向いていた」とか「ブラシの勢いで折れてしまった」なんていう怖い話を耳にしたことはありませんか。

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特に最近のSUVやミニバンは、デザイン性を重視した樹脂製のリアワイパーが主流になっており、これが意外とデリケートなんです。「毎回テープで固定するのは面倒だけど、壊れるのはもっと嫌だ」「そもそも後ろのワイパーなんて使わないから外してしまいたいけれど、車検はどうなるの?」といった疑問や不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、洗車機を利用する際になぜリアワイパーが破損してしまうのか、そのメカニズムと今日からできる確実な対策について、私なりの経験と調査データを交えて詳しく解説していきます。
記事のポイント
- 自動洗車機でリアワイパーが破損してしまう物理的な原因
- ガムテープではなく養生テープを使った正しい固定方法
- リアワイパーを取り外す際の手順と車検適合のための対策
- 万が一破損してしまった場合の修理費用と責任の所在
洗車機利用時にリアワイパーが破損する原因と対策
便利な自動洗車機ですが、複雑な形状をしているリアワイパーにとっては、実はかなり過酷な環境なんです。ここでは、なぜ破損事故が起きてしまうのか、そのメカニズムと、私たちが現場で実践できる具体的な対策について深く掘り下げていきます。
なぜ洗車機でリアワイパーが折れるのか
「たまたま運が悪かっただけ」と思われがちですが、洗車機によるリアワイパーの破損には、明確な構造上の理由が存在します。私たちが普段何気なく利用している洗車機の中で、一体どのような力が働いているのかを理解することが、愛車を守る第一歩になります。
まず、洗車機の基本的なメカニズムを知っておく必要があります。洗車機の回転ブラシ(トップブラシやサイドブラシ)は、センサーで車両の形状を読み取りながら、汚れを落とすのに十分な圧力でボディを擦ります。ボディパネルのような平面に対しては最適化されていますが、リアウィンドウからポコっと飛び出しているワイパーアームは、ブラシにとって予期せぬ「障害物」として認識されてしまうことがあるのです。
特に危険なのが、トップブラシがルーフ(屋根)からリアゲートへと下降してくる瞬間と、サイドブラシが車両後部に回り込んでくるタイミングです。この時、回転するブラシの毛先がワイパーアームやブレードに絡まり、設計上の可動範囲とは「全く逆方向の力」を加えてしまうことがあります。

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例えば、リアワイパーは通常、扇形に拭き取る動きしかしませんが、ブラシによって「画面手前方向(車の後ろ側)に引き剥がされる力」や、「拭き取り動作とは逆回転の力」が瞬間的にかかります。この負荷は強烈で、アームの根元にあるロック機構を破壊したり、樹脂製のアームそのものをへし折ったりするのに十分なエネルギーを持っています。
実際に自動車メーカーのマニュアルにも、このリスクは明記されています。例えば日産自動車のセレナやエクストレイル等の取扱説明書には、「自動洗車機で洗車すると、リヤワイパーを破損するおそれがあります」という警告がはっきりと記載されています。
(出典:日産自動車:セレナ [ SERENA ] スペシャル 取扱説明書 | 洗車機を使うときは)
ブラシが汚れを落とすために必要な「トルク(回転力)」が、突起物であるワイパーに対しては「破壊する力」として作用してしまいます。特にブラシの毛が長く、腰が強いタイプの洗車機では、一度巻き込まれると逃げ場がなく、アームやモーター内部のギアが一瞬で破損するリスクが高まります。
樹脂パーツの劣化やゴム損傷のリスク
破損の原因は洗車機のパワーだけではありません。受け手である「車側のコンディション」も大きく関係しています。特に最近の車に多い「樹脂製リアワイパー」は注意が必要です。
昔の車は金属製のワイパーアームが主流でしたが、現在は軽量化やデザインの自由度を高めるために、多くの車種でプラスチック(樹脂)素材が採用されています。樹脂は錆びないというメリットがある反面、金属に比べて「粘り強さ(靭性)」が低く、衝撃に対して脆いという弱点があります。
さらに恐ろしいのが「経年劣化」です。車は常に屋外で紫外線や雨風、夏の高温や冬の凍結にさらされています。新車の時は柔軟性があった樹脂パーツも、数年経つと硬化し、もろくなっていきます。イメージとしては、古いプラスチックの洗濯バサミがパキッと割れるのと同じ現象が、リアワイパーでも起きていると考えてください。
「まだ数年しか乗っていないから大丈夫」と思っていても、青空駐車の環境下では劣化のスピードは意外と早いです。硬化した樹脂アームに洗車ブラシの打撃が加われば、いとも簡単に折損してしまいます。
ワイパーゴム(ブレードラバー)の状態も重要です。もしゴムの端が切れてプラプラしていたり、硬くなってめくれ上がっていたりすると、そこがブラシの毛を引っ掛ける「フック」の役割を果たしてしまいます。
たかがゴム切れと放置していると、それがきっかけでアーム全体が巻き込まれ、数万円の修理費につながるケースも珍しくありません。
洗車機に入れる前には、必ずリアワイパーのアームを手で軽く触ってみて、ガタつきがないか、ゴムが切れていないかを確認する習慣をつけることを強くおすすめします。
洗車機のボタン設定による回避機能
物理的な対策の話の前に、まずは洗車機自体が持っている「安全機能」を使いこなすことが重要です。セルフ洗車機の操作パネルをよく観察してみてください。「装備品選択」や「オプション選択」といった画面に、リアワイパーに関するボタンがあるはずです。
名称は洗車機のメーカーによって異なりますが、「リアワイパー装備車」「リア付属品あり」「背面ワイパー」などのボタンが用意されています。このボタンを押すことで、洗車機の制御コンピューターに「後ろに壊れやすいものがあるから気をつけて!」という指令を送ることができます。

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具体的には、この設定を有効にすると、以下のような制御が行われます。
- ブラシ圧の低減:リアゲート付近を通過する際、ブラシを押し付ける力を弱めたり、回転数を落としたりします。
- 回避動作:リアワイパーがある中心部分だけブラシを当てずにスキップし、その周囲だけを洗うような動きに切り替わります。
- 動作の制限:トップブラシがリアゲートの下まで降り切らず、ワイパーに当たる手前で上昇するようになります。
「洗い残しが出るのが嫌だから」といって、このボタンを押さない方がいらっしゃいますが、それは非常にリスキーな賭けです。洗い残しは後でタオルで拭けば済みますが、折れたワイパーは拭いても直りません。
最新の洗車機は形状認識センサーの精度が向上していますが、それでも万能ではありません。特に黒いボディに黒い樹脂ワイパーが付いている場合や、複雑な形状のスポイラーに隠れている場合など、センサーがワイパーを正しく認識できず、設定をしていてもブラシが強く当たってしまうことがあります。
そのため、ボタン設定はあくまで「第一の防御策」と考え、次項で紹介する物理的な固定と併用するのが最も確実な安全管理と言えます。
ガムテープはNG?正しいテープ養生法
洗車機のリスクを物理的に封じ込める最強の手段、それが「テープによる固定(養生)」です。ガソリンスタンドのスタッフさんが洗車をする際、必ずと言っていいほどテープを貼るのは、それが最も確実な破損防止策だからです。
しかし、DIYでこれを行う場合、テープの選び方や貼り方を間違えると、かえって車を傷める原因になってしまいます。まず大前提として、家にある茶色の「ガムテープ(クラフトテープ)」や布製の強力な梱包テープは絶対に使わないでください。
これらのテープは粘着力が強すぎるため、剥がす際に塗装面のクリア層を痛めたり、頑固な糊(のり)がガラスやボディに残ってベタベタになったりします。また、水に濡れるとふやけて汚くなる紙テープも論外です。
車に使うべきなのは、「養生テープ(ようじょうテープ)」です。ホームセンターやカー用品店で緑色や半透明のものが売られています。これは元々、塗装工事や引っ越しの際に「一時的に固定し、後できれいに剥がす」ことを目的に作られているため、糊残りが少なく、手で簡単に切れるのが特徴です。
絶対に失敗しないテーピングの手順

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- 長さはケチらない:
テープは30cm〜40cmくらいの長さでカットします。短すぎるとブラシの威力ですぐに剥がれてしまいます。 - 位置決めと固定:
ワイパーアームの上からテープを被せるように貼ります。この時、アームだけでなく、ワイパーブレード(ゴム部分)も一緒にガラス面に押し付けるように固定します。 - 密着させる:
ただ貼るだけでなく、指でしっかりと擦って空気を抜きます。特にテープの「端っこ」が浮いていると、そこから水圧で剥がれてしまうので、端部は念入りに圧着してください。 - 方向を意識する:
ブラシが回転してくる方向に対して「めくれる方向(逆目)」にならないように貼るのがコツですが、縦方向と横方向の2枚で「十字」に留めるとさらに安心です。
このひと手間を惜しまないことで、数万円の修理リスクをほぼゼロにすることができます。車内に1巻き常備しておくと、いざという時に困りませんよ。
スポイラーや高圧洗浄による干渉リスク
リアワイパーの破損リスクを考える時、セットで警戒しなければならないのが「周辺パーツ」との関係性です。特にリアスポイラー(リアウィング)が装着されている車は要注意です。
純正の控えめなスポイラーなら問題ないことが多いですが、大型の社外品や、純正でも形状が複雑なルーフスポイラーが付いている場合、洗車機のセンサーが誤検知を起こすことがあります。スポイラーにブラシがガツンと引っかかり、その衝撃で車体が揺れたり、ブラシが跳ねたりして、その直下にあるリアワイパーを直撃するという「二次災害」的な破損パターンです。
また、ブラシを使わない「ノンブラシ洗車機」や高圧洗浄機を使う場合も、油断は禁物です。高圧水流には、私たちが想像する以上の破壊力があります。
| リスク要因 | 主な現象 | 対策 |
|---|---|---|
| 回転ブラシ | 物理的な打撃、巻き込みによるアーム折損 | 養生テープ固定、装備品設定での回避 |
| 高圧水流 | 隙間への浸入、ゴムシールの変形、電装品への浸水 | ノズルを近づけすぎない(30cm以上離す) |
| エアロパーツ | センサー誤認による衝突、パーツ脱落 | 洗車機の利用可否を事前に確認する |
特に高圧洗浄ガンのノズルを近づけすぎると、ワイパーの根元にあるゴムパッキンや、ウィンドウガラスの周囲にあるシール材を変形させてしまう恐れがあります。ここから水が浸入すると、リアゲート内部が錆びたり、車内がカビ臭くなったりする原因になります。水圧のパワーは「汚れを落とす」ことだけに使って、「部品を壊す」ことに使わないよう、距離感には十分注意してください。
洗車機対策でリアワイパーを外す方法と法的要件
「毎回洗車機に入れるたびにテープを貼るのは正直面倒くさい」「そもそも後ろのワイパーなんて一度も使った記憶がない」。そんな風に感じているなら、いっそのことリアワイパーを取り外してしまう(レス化する)のも一つの合理的な選択肢です。
リアワイパーが無くなれば、洗車機での破損リスクは物理的にゼロになりますし、リアガラスの掃除も拭き上げも驚くほど楽になります。また、見た目がスッキリしてスタイリッシュになるというドレスアップ効果も期待できます。ここでは、安全に取り外すための技術的な手順と、車検などの法律面でのルールについて詳しく解説します。
リアワイパーはいらない?レス化の検討
まず、本当に外してしまって不便はないのか、改めて考えてみましょう。最近の車のリアガラスは傾斜が緩やかで空力特性も良くなっているため、走行風だけで雨粒が吹き飛んでいく車種も増えています。また、バックモニター(リアカメラ)が普及したことで、後退時の視界確保のために必ずしもリアガラス越しに目視する必要性が減っているのも事実です。
しかし、全てのユーザーにとって「不要」とは言い切れません。例えば、雪国にお住まいの方にとっては、リアガラスに降り積もった雪を払いのけるためにリアワイパーは生命線となります。また、未舗装路や泥ハネが多い地域を走行する場合、巻き上げた泥でリアガラスが完全に遮蔽されてしまうことがあります。
ご自身のライフスタイルを振り返り、「雨の日にバックミラーで後ろが見えなくても困らないか」「リアカメラがあれば十分か」を天秤にかけて判断してください。もし「ほとんど使っていない」という結論になれば、取り外しは非常に有効なメンテナンスフリー化の手段となります。
失敗しないリアワイパーの外し方と手順
リアワイパーの取り外し作業は、構造さえ理解していればDIY初心者でも十分に可能です。必要な工具も、基本的にはメガネレンチやラチェットレンチ(多くの車種では10mm)があれば事足ります。しかし、たった一つだけ、絶対にミスをしてはいけない「重大な注意点」があります。
それは、「モーター軸の共回り(ともまわり)」を防ぐことです。
具体的な手順を見ていきましょう。
- アームカバーを外す:
アームの根元についているプラスチックのカバーを手で、または内張り剥がしを使ってパカッと外します。 - 固定ナットを緩める:
ここに六角ナットが見えます。これをレンチで緩めるのですが、ここが最大の難所です。長期間固定されていたナットは固着していることが多いです。この時、アームを手でしっかりと押さえずにナットだけを回そうとすると、モーターの内部軸ごと回転してしまう「共回り」が発生します。これをやってしまうと、モーター内部の樹脂ギアが欠けたり、防水パッキンがねじ切れたりして、モーターユニット全体の交換(部品代だけで1〜2万円コース)が必要になります。必ず「片手でアームをガッチリ固定し、もう片方の手でナットを回す」ことを守ってください。

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- アームを引き抜く:ナットが外れても、アームは軸のスプライン(ギザギザの溝)に噛み込んでいて簡単には抜けません。アームを立てた状態で、根元付近を持って上下左右に優しく揺すりながら、じわじわと手前に引き抜いてください。急にスポン!と抜けて勢いでボディを傷つけないよう注意しましょう。
もし将来的にまた取り付ける可能性があるなら、外す前にアームの停止位置にマスキングテープなどで印をつけておくと、再装着時の位置合わせが楽になります。
外した状態で車検に通るための対策
「リアワイパーを外すと車検に通らなくなる」という話をよく耳にしますが、これには誤解が含まれています。正確に言うと、「リアワイパーが無いこと自体は問題ないが、外しっぱなしの状態だと不合格になる」というのが真実です。
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