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いざ洗車をしようと思った時、「カーシャンプーがない!」と困った経験はありませんか。そんな時、身近なものでカーシャンプーの代用ができないか考える方も多いはずです。
例えば、食器用の中性洗剤との違いは何か、あるいは普段使っている洗濯洗剤は車に使えるのか、100円ショップのダイソー製品の実力はどうなのか、といった疑問が浮かぶかもしれません。
さらに、環境に優しい手作りシャンプーの可否や、ケルヒャーのような高圧洗浄機で使っても安全なのかという点も気になります。
また、「代用として重曹は使えますか?」という具体的な質問や、結局のところ最強の代用品は何か、おすすめの方法を知りたいという方も多いでしょう。
この記事では、そうしたカーシャンプーの代用に関するあらゆる疑問にお答えします。代用品のメリット・デメリットから、安全に使用するための注意点、そして最終的に何を選ぶべきかまでを、専門的な視点から詳しく解説していきます。
記事のポイント
- カーシャンプーの代用品になるものとならないもの
- 代用品を使う際の具体的な手順と注意点
- 車の状態に合わせた正しいカーシャンプーの選び方
- 代用品のリスクを知り安全な洗車方法を選択できる
カーシャンプーの代用に使える洗剤とそれぞれの注意点

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- カーシャンプーと中性洗剤の違いとは?
- 食器用洗剤で代用するメリット・デメリット
- 洗濯洗剤は代用品として使えるのか
- ダイソーで買えるカーシャンプーの実力
- 手作りカーシャンプーは現実的か
カーシャンプーと中性洗剤の違いとは?

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カーシャンプーがない時に、まず思い浮かぶのが食器用の中性洗剤かもしれません。結論から言うと、食器用中性洗剤はカーシャンプーの代用品として使用可能ですが、両者には明確な違いがあるため注意が必要です。
主な違いは、「洗浄の目的」と「配合されている成分」にあります。どちらも汚れを落とす主成分は「界面活性剤」ですが、その働きかける対象が異なります。
項目 | カーシャンプー | 食器用中性洗剤 |
---|---|---|
主な目的 | 塗装やコーティングを保護しつつ、ホコリや泥を落とす | 食器に付着した油汚れを強力に分解・洗浄する |
洗浄力 | 車体に優しいマイルドな洗浄力 | 油汚れに特化した強力な洗浄力 |
保護成分 | 防錆剤、コーティング保護成分、ワックス成分などを含む製品が多い | 基本的に含まれない |
泡の性質 | きめ細かく、泡切れが良い(シミ防止) | 泡持ちが良く、泡切れは比較的悪い |
推奨される液性 | 中性が基本(汚れにより弱アルカリ性なども使用) | 中性(一部、弱アルカリ性や弱酸性の製品もある) |
このように、カーシャンプーはデリケートな車の塗装面を傷つけないように、洗浄力や泡切れが調整されています。
一方、食器用洗剤は頑固な油汚れを落とすことに特化しているため、車のワックスや簡易コーティングまで落としてしまう可能性があります。
代用はあくまで緊急時の一時的な措置と考えるのが賢明です。
食器用洗剤で代用するメリット・デメリット

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前述の通り、食器用中性洗剤はカーシャンプーの代わりになりますが、使用する前にメリットとデメリットをしっかり理解しておくことが重要です。
メリット
- 手軽さ:ほとんどの家庭に常備されており、すぐに洗車を始められます。
- 入手しやすさ:スーパーやドラッグストアで安価に購入できます。
- 油汚れに強い:排気ガスなどが原因の油性の汚れを効果的に落とせます。
デメリット
- ワックスやコーティングを落とす:強力な油汚れ洗浄成分が、ボディを保護しているワックス被膜まで剥がしてしまいます。
- ゴム・樹脂パーツを傷める可能性:必要な油分まで除去してしまい、タイヤや未塗装樹脂パーツの劣化を早める恐れがあります。
- シミの原因に:泡切れが悪いため、すすぎが不十分だと洗浄成分がボディに残り、シミやサビの原因となることがあります。
- 柑橘系の成分に注意:一部の柑橘系成分を含む洗剤は、酸の力でアルミパーツを傷める可能性があります。
食器用洗剤を使う場合は、ワックスが落ちることを前提に、洗車後に再施工する覚悟が必要です。また、あくまで「カーシャンプーがない時の緊急手段」と割り切り、長期間にわたって使い続けるのは避けるべきでしょう。
洗濯洗剤は代用品として使えるのか

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食器用洗剤の次に、洗濯洗剤での代用を考える方もいるかもしれません。これについては、「条件付きで可能だが、全くおすすめできない」というのが結論です。
もし使用するのであれば、ウールやシルクなどを洗うための中性の「おしゃれ着用洗剤」に限られます。
一般的な粉末や液体の洗濯洗剤の多くは「弱アルカリ性」です。アルカリ性は油汚れや皮脂汚れに強い反面、車の塗装に対して攻撃性が高く、色あせやシミ、ダメージの原因になりかねません。
洗濯洗剤が洗車に不向きな理由
塗装へのダメージ:弱アルカリ性の成分が塗装面を傷めるリスクが非常に高いです。
泡立ちが悪い:洗濯洗剤は洗濯機での使用を前提としているため、手洗いで泡立てるようには作られていません。洗車では泡がクッションとなり、砂やホコリによる引きずり傷を防ぐ重要な役割を果たしますが、その効果が期待できません。
蛍光増白剤などの影響:衣類を白く見せるための蛍光増白剤などが含まれている場合、車の塗装にどのような影響を与えるか分からず、ムラの原因になる可能性があります。
これらの理由から、たとえ中性のおしゃれ着用洗剤であっても、車の塗装を傷つけるリスクを考えると、洗濯洗剤をカーシャンプーとして代用するのは避けるべきです。
ダイソーで買えるカーシャンプーの実力

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近年、100円ショップのカー用品は品質が向上しており、ダイソーでもカーシャンプーが販売されています。その実力はどうなのでしょうか。
ダイソーのカーシャンプーは、多くがスプレータイプで、水で希釈する手間がなく、濡らしたスポンジに直接吹き付けて使える手軽さが特徴です。
実際に使用したユーザーの評価や専門家の比較検証によると、以下のような特徴があります。
ダイソー製カーシャンプーの特徴
使い勝手:希釈不要のスプレー式なので、バケツを用意する必要がなく非常に手軽です。
泡立ち:本格的なカーシャンプーと比較すると、泡立ちは控えめです。モコモコの泡で洗いたい方には物足りないかもしれません。
洗浄力:ホコリや軽い泥汚れといった日常的な汚れであれば、問題なくきれいに落とすことができます。ただし、頑固な水垢や油汚れに対する効果は、専用品に劣る可能性があります。
コストパフォーマンス:110円という価格を考えれば、その手軽さと洗浄力は非常に優れていると言えます。
結論として、ダイソーのカーシャンプーは「こまめに洗車する方」や「軽い汚れをサッと落としたい」といった用途には十分な実力を持っています。
本格的な洗浄力や泡立ちを求める場合は物足りなさを感じるかもしれませんが、コストパフォーマンスを重視するなら試してみる価値はあるでしょう。
手作りカーシャンプーは現実的か

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市販の化学製品を避けたい、あるいは環境への配慮から、カーシャンプーを手作りできないかと考える方もいるかもしれません。実際に、無添加の石鹸を使って手作りすることは可能です。
作り方は比較的シンプルです。
手作り石鹸シャンプーの作り方(一例)
- 成分表記が「石鹸素地」のみの無添加石鹸を用意します。
- おろし金などで石鹸を細かく粉末状に削ります。
- 鍋に水と粉末状の石鹸を入れ、沸騰しないように50℃程度に温めながらよくかき混ぜて溶かします。
- 冷ましてからスプレーボトルなどに入れれば完成です。
メリット:成分が明確で安心して使え、排水も環境への負荷が少ないです。
デメリット:作る手間がかかる上、市販のカーシャンプーに比べて洗浄力はマイルドです。固着した水垢やしつこい汚れを落とすのは難しいでしょう。また、石鹸カスが残りやすいという側面もあります。
手作りカーシャンプーは、コーティング施工済みで普段の汚れが水洗いでほとんど落ちるような車に対し、補助的に使うのであれば選択肢の一つになります。しかし、手間や洗浄力を考えると、万人にとって現実的な方法とは言いがたいのが実情です。
安全なカーシャンプー代用のための知識と正しい選び方

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- 代用として重曹は使えるのか?
- ケルヒャーで代用品を使う際のリスク
- 結局、最強の選択肢は専用シャンプー
- おすすめのカーシャンプーの選び方
- カーシャンプーの代用はリスクを理解し慎重に
代用として重曹は使えるのか?

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掃除の万能アイテムとして知られる重曹ですが、「カーシャンプーの代用として使えるのか?」という質問もよく見受けられます。これに対する答えは、「絶対に使用しないでください」です。
重曹は弱アルカリ性であると同時に、水に溶けにくい結晶の性質を持っています。この性質が、車のデリケートな塗装面にとっては非常に危険です。
重曹を洗車に使ってはいけない理由
研磨作用による傷:水に溶け切らなかった重曹の粒子が、スポンジで擦ることによってクレンザー(研磨剤)のように作用し、塗装面に無数の細かい傷(スクラッチ傷)を付けてしまいます。これはボディの光沢を失わせる原因になります。
シミやサビの原因:水に溶けにくいため、洗い流したつもりでもボディの隙間やパネルの継ぎ目に残りやすいです。
乾燥後に白く浮き出てシミになるだけでなく、金属部分に付着したままになるとサビを誘発する恐れもあります。
確かに重曹は油汚れを分解する力がありますが、それを上回るデメリットが存在します。車の塗装は非常にデリケートなため、研磨作用のある重曹の使用は絶対に避けましょう。
ケルヒャーで代用品を使う際のリスク

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ケルヒャーに代表される家庭用高圧洗浄機は、洗車を効率的に行うための便利なツールです。専用の洗浄剤(カーシャンプー)がありますが、ここに市販の食器用洗剤などを代用できるのでしょうか。
結論として、メーカーは純正洗浄剤の使用を推奨しており、代用品の使用は推奨されません。その理由は主に2つあります。
- 故障の原因となるリスク
- 性能を最大限に発揮できない可能性
高圧洗浄機の内部は精密な部品で構成されています。代用品に含まれる成分によっては、内部のポンプやパッキンなどの部品を劣化させ、故障を引き起こす可能性があります。
実際に、ケルヒャーの取扱説明書には、純正洗浄剤以外の使用による故障は保証の対象外となる旨が記載されている場合があります。
フォームノズルなら使える?
高圧洗浄機の先端に取り付ける「フォームジェット」や「フォームノズル」といったアクセサリーは、ボトルに洗剤を入れて噴射する仕組みです。
この場合、洗剤は高圧洗浄機の本体を通過しないため、故障のリスクは低減します。しかし、代用品では純正品のようなきめ細かい泡が作れない場合が多く、高圧洗浄機ならではの泡洗浄の効果を十分に得られない可能性があります。
安全かつ効果的に高圧洗浄機を使用するためには、基本的にはメーカーが指定する純正のカーシャンプーを使用するのが最も確実な方法です。
結局、最強の選択肢は専用シャンプー

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これまで様々な代用品について解説してきましたが、結局のところ、安全性、確実性、仕上がりの質を総合的に考慮すると、「車専用に開発されたカーシャンプー」が最強の選択肢であることは間違いありません。
代用品はあくまで緊急時の手段であり、常用には多くのリスクが伴います。
考えてみてください。車は塗装面だけでなく、ゴム、未塗装樹脂、メッキ、ガラスなど、多種多様な素材で構成されています。
カーシャンプーは、これらのあらゆる素材にダメージを与えることなく、汚れだけを効率的に落とすために、研究を重ねて開発された専用品なのです。食器用洗剤のようにワックスを剥がしたり、ゴムパーツを劣化させたりする心配がありません。
また、洗濯洗剤のように塗装を傷めるリスクもなく、重曹のようにボディを傷だらけにすることもありません。
きめ細かい泡がクッションとなって洗車傷を防ぎ、優れた泡切れがシミの発生を抑制します。数百円から千円程度で手に入る安心と確実性を考えれば、愛車を長くきれいに保つための投資として、カーシャンプーを選ぶことが最も賢明な判断と言えるでしょう。
おすすめのカーシャンプーの選び方

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いざカーシャンプーを選ぼうとしても、種類が豊富で迷ってしまうかもしれません。ここでは、自分の車や目的に合ったシャンプーを選ぶための3つのポイントをご紹介します。
1. ボディの状態で選ぶ
まず最も重要なのが、コーティングの有無です。専門業者でガラスコーティングなどを施工している車は、必ず「コーティング施工車対応」と記載されたシャンプーを選びましょう。
ワックス成分やコンパウンド(研磨剤)が含まれているシャンプーは、コーティング被膜を傷めたり、効果を損なったりする可能性があるため避けるべきです。
2. 液性で選ぶ(汚れの種類)
カーシャンプーには主に3つの液性があり、落としたい汚れの種類によって使い分けます。
- 中性:最もスタンダードで、塗装への攻撃性が低く、どんな車にも安心して使えます。普段の洗車は基本的に中性シャンプーで十分です。
- 弱アルカリ性:油汚れや排気ガスの黒いスス汚れに効果的です。ただし、洗浄力が強い分、古いワックスを落としてしまうこともあります。
- 酸性:雨水などが原因でできるイオンデポジット(白いウロコ状のシミ)の除去に特化しています。使用後は成分が残らないよう、念入りなすすぎが必要です。
まずはマイルドな中性シャンプーを基本とし、落ちない頑固な汚れがある場合に、目的に応じて他の液性を試すのがおすすめです。
3. 付加機能で選ぶ
洗浄以外のプラスアルファの機能で選ぶ方法もあります。
- ワックスinシャンプー:洗車と同時にワックスがけができ、撥水効果や艶出し効果が得られます。手軽に済ませたい方に人気です。
- コンパウンド入りシャンプー:微細な研磨剤が含まれており、頑固な水垢や小傷を除去する効果があります。ただし、塗装をわずかに削るため、使いすぎやコーティング施工車への使用には注意が必要です。
自分の車の状態や、洗車に何を求めるかを考えて選ぶことで、最適な一本が見つかるはずです。
カーシャンプーの代用はリスクを理解し慎重に
この記事では、カーシャンプーの代用品について多角的に解説してきました。最後に、記事全体の要点をまとめます。
- カーシャンプーがない場合、食器用中性洗剤が一時的な代用品になる
- 食器用洗剤は油汚れに強いが、ワックスやコーティングを落とす可能性がある
- タイヤなどのゴム・樹脂パーツは、食器用洗剤で劣化する恐れがある
- 食器用洗剤は泡切れが悪く、すすぎ残しはシミやサビの原因になる
- 洗濯洗剤はアルカリ性のものが多く、塗装を傷めるため代用は推奨されない
- 100円ショップ(ダイソー)の製品は手軽で軽い汚れには十分な性能を持つ
- 無添加石鹸での手作りは可能だが、手間がかかり洗浄力はマイルド
- 重曹は研磨作用で塗装を傷つけるため、洗車への使用は絶対に避ける
- 高圧洗浄機(ケルヒャーなど)には、故障リスクを避けるため純正洗浄剤が推奨される
- 様々なリスクを考慮すると、最強の選択肢は車専用に作られたカーシャンプーである
- カーシャンプーは車体の多様な素材を傷めずに汚れを落とせるよう設計されている
- カーシャンプー選びは、コーティングの有無、汚れの種類(液性)、付加機能で選ぶ
- コーティング施工車には、必ず「コーティング施工車対応」の製品を選ぶ
- 普段の洗車は、塗装に優しい「中性」シャンプーが基本
- カーシャンプーの代用は、あくまでリスクを理解した上での緊急措置と考えるべき